3.木製はきもの類のデザイン開発並びに試作研究
坂本 晃* 高野あや* 玉造公男*** 北嶋俊朗**
・キーワード:自然、リラックス ・コンセプト:足裏は板間感覚
・形、材質の特性:シンプルな形、暖かみのあ
る形、エンボス加飾(昨年度、当所の技術開
発)を施した杉、新しいバンドの開発
・色、イメージの特性:ナチュラル(写真A−
1)、モダン(写真A−2)
(2)Bグループ
・ターゲット:30代後半の男女で、エコロジー
に関心があり、感度の高いファミリー派
・生活場面:−W・戸建て住宅の庭周り及び近所の
自然散策
・キーワード:自然観察と快適歩行
・コンセプト:健康な足になるための快適な履
物
・形、材質の特性:杉材にエンボス加飾を施し、
木目を強調。前後二つのパーツに分け、歩行に
合わせて曲がる構造
・色、イメージの特性:ナチュラル(写真B
1及び2のクリヤ塗装)、エレガント(写真B
1及び2のあや塗) 3.2 デザインワーク
デザインコンセプトをもとに、アイデアの展
開、収れん、評価及び設計を行った。
3.3 試作
設計に従い4種8点を試作した。
使用した素材は、すべて杉材をマイクロ波照
射し、硬質ゴムで圧縮加飾したもので、木目を
強調した。(平成2年度業務報告書参照) 写真A−1は、家庭的なかんじをもたせ、新 1.目 的
−¶ 一昔前まで、木製はきものは生活に密着した
必需品であったが、最近では生活の中で使われ
なくなってきている。生活の洋風化にともなう
生活環境や嗜好の変化、他の素材の履物技術の
進歩による高品質化が理由と考えられる。
しかし、生活の洋風化は表面的な現象であり、
日常的な生活習慣では日本文化がしっかり受け
継がれていることは周知の事実である。木製は
きものを現代の生活に合うようにデザインする
ことにより、木製はきものにしかないメリット
を生活に再度生かすことは、充分意義のあるこ
とと思われる。
そこで、本研究では、生活者ニーズを把握し、
より現代の生活にあったデザイン開発を行い、
これを木製はきもの業界に提示することによ
り、新しい市場展開を図ることを目的とした。
2.方 法
2.1デザインコンセプトの設定
2.2 デザインワーク
2.3 試 作
3.結 果
3.1デザインコンセプト (1)Aグループ
・ターゲットニ30代男女で、都会的センスを持
ちながらも、仕事等でストレスを感じている人
々
・生活場面:∧一般住宅における洋風の室内 *デザイン研究室**加工技術研究室***塗装技術研究室
しいバンドの取り付け法として、木部に小さな
穴を開けバンドを紐で縫合する方法を考案した。
形状的には、左右のバンドが一連のうねりに見
える視覚効果を狙った。塗装は、クリヤ塗装と
あや塗を施した。
写真A2は、都会的な感じにまとめた。新
しいバンドのアイデアとしては、バンドと鼻緒
両方の機能をもたせたものを考案した。塗装は、
カラークリヤ塗装と、あや塗を施した。
写真BⅧ1及び2は、足の関節の動きに着目
し、快適な歩行ができるように、柔軟性をもた
せる工夫を行った。木部は二つのパーツからな
るようにし、発砲ウレタン及び裏ゴムで連結し
た。塗装は、それぞれのどかな感じのクリヤ塗
装(ステイン着色)と、優雅な感じのあや塗を
施した。
4】考 察
今回の開発は、「生活」をふまえて「快適さ」
をめぎした結果、現時点では満足のいくものと
することができた。この結果をもとに研修会を
開催し、業界に提案して活性化の」功とするつ
もりである。
履物、特に木製はきものは素材の材料物性に
もとづく諸制約から、新製品の開発は非常に難
しい而がある。しかし、木製はきものには、捨
てがたいものがあるため、生活の中でもっと愛
用されるように、より良い製品の開発を進めた
い。
写真B−2